レヴュー その3
ブラック・レイン
「リドリー、おまえもか」と愕然とする問に映画はさくさくと先に進み、日本の日の字も出てこないまま、まずはニューヨークを舞台にひとりの刑事のドラマが描かれる。
ここまでは、普通に出来のいいハリウッド映画。
しかし開始十数分、松田優作が登場してから、この映画は尋常でないオーラを放ち始める。
ハリウッド俳優と互角の存在感、という言い方は正しくなくて、登場したその瞬間、松田優作は明らかに他の出演者たちを圧倒する。
武装した部下を引き連れてレストランに乱入し、衆目の中で凄惨な殺人を実行するシーンの緊張感は、単に演出によって導き出されたものではなく、松田優作という日本の俳優に対する畏敬の念、「なんなんだ、こいつは」という、マイケル・ダグラスらの驚きに裏打ちされた紛れもない「本物」だった。
以後、この緊張感は舞台が日本に移ってからも維持されます。
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