レヴュー その5
ブラック・レイン
しかし警察署で蕎麦を食っていた高倉健が電話に出る時、口もとをさっと拭って直立不動で受話器を握る、そういう些細な演出、日本人の美徳を伝える細やかな演技が、それらの不備を補って余りある魅力を本作に与えています。
その根底にあるのは未知のものへの敬意であり、日米双方を肯定しようとする前向きな姿勢だ。
他者への敬意と自己肯定。
現代日本人がもっとも苦手とする二大要素が映画をおもしろくするのかと思うと、暗澹とした気分になってくるが、本作の成功は日本人スタッフのポテンシャルがあったればこそのもの。
やればできることが証明されたのです。
今度はアメリカ人の力を借りずにやってみようではないか!